English
文字サイズ フォント小フォント大

おてつぎ運動

特集記事

2016年5月

『大成功!「聞いてみよう!お坊さんのはなし」』

知恩院で平成12年から実施している春秋の夜間ライトアップ(春季は平成15年から)。本年は春のライトアップを「念仏の根本道場」にふさわしいものとするべく、新企画「聞いてみよう!お坊さんのはなし」が実施され、阿弥陀堂は毎日熱気に包まれた。

担当した10人の僧侶のうち4人に感想を聞いた。

おてつぎ運動としてのライトアップ

「聞いてみよう!お坊さんのはなし」を担当した僧侶。
左から樋口、二橋、磯部、奥山

磯部孝造(以下、磯部):近年、お寺でカフェが開かれたり、テレビなどのマスメディアにもお坊さんが登場したりしています。私は3年前から夜間ライトアップに携わってきましたが、若い人のなかに仏教に対するニーズが高まってきているのであれば、三門や友禅苑を見て「ああ綺麗だったな」で終わらせてしまうのはもったいないと思いました。それで、阿弥陀堂を開放して、お坊さんの話を聞いてもらい、お念仏を体験してもらうというプログラムを考えたのです。

ライトアップの期間が3月12日から21日の10日間でしたから、10人の僧侶で担当する仕組みにしました。知恩院に奉職する若手僧侶に声を掛けたところ、嬉しいことにみんな賛同してくれまして……。

樋口稔洋(以下、樋口):「いいアイデアだな」とすぐに思いました。秋のライトアップでは別時念仏を行ったことがありましたが、お坊さんがその前後に話すことはありませんでした。お念仏を称える意味を知ったうえで体験してもらうほうが、心のなかに残るものがあるはずです。

二橋良樹(以下、二橋):おてつぎ信行奉仕団で来られる檀信徒さんなら、日頃のお寺とのお付き合いのなかで基本的なことは学んでくださっています。しかし、ライトアップのような敷居の低いイベントに来られる方は若い人がほとんどで、その多くは仏教との縁が薄いと思います。私自身と近い世代の人々に対して、知恩院が浄土宗のお寺であるという基本的なところからお話しし、手を合わせることの大切さを伝えるのは、貴重な試みだと感じました。

奥山智海(以下、奥山):私は現在総務部に配属されているのですが、部署の垣根を越えて僧侶10人が力をあわせ、阿弥陀堂でいい話をしようという熱気には、本当に刺激を受けました。当日話した内容をお互いに批評し合ったり、帰ってからもスマートフォンで状況を報告し合ったりして充実した時間でした。

2400人と称えたお念仏

15~20分程度の僧侶の話に耳を傾ける参加者

話が終わったら引き続きお念仏。
阿弥陀さまの前でそれぞれの想いを捧げた

磯部:始まるまでは不安もありましたが、結果的にはライトアップ初日から最終日まで阿弥陀堂はずっと満堂でした。1日3回、10日間で30回の「聞いてみよう!お坊さんのはなし」を実施し、足を運んでくれたのは2400人にものぼりました。最後まで話を聞きお念仏も一緒に称えてくださいました。

樋口:私は日頃お寺に来ることのない人たちに話すことに不安を抱えていました。一生懸命原稿を書いて準備しましたが、それでもどんな反応が返ってくるか予想できなかったのです。でも、話し始めてみると、じっとこちらを見つめて真剣に聞いてくれていましたから、いつの間にか原稿を見ずに参拝者の目を見て話しました。何かしら伝わったように感じています。

奥山:この企画を楽しみにわざわざ来てくれた人もいらっしゃいました。毎日多くの方が真摯に私たちの話を聞いてくれる──これほど嬉しいことはないですし、今後もっと進化させられたらと夢が広がります。秋のライトアップでは開放するエリアが広いですから、三門下や寶佛殿など様々な場所に僧侶が立ち、辻説法するとか。

二橋:おてつぎ文化講座や写経会などおてつぎ運動が実施している他の事業にも、この成功を生かせるところがあるはずです。教えをきちんと伝えるということを大事にしたいと改めて思いましたし、そのために私自身日々学びを深めていきたいところです。

磯部:今回は1回目の試みということで、知恩院の僧侶にしか声をかけませんでしたが、関心を持ってくださる僧侶に広く声をかけ、また提案もいただいたりしながら、おてつぎ運動の輪が広がるように努めていきたいと思っています。



▲ ページのトップへ