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おてつぎ運動

特集記事

2014年12月

『お坊さんと話してみませんか?』知恩院総務部 電話相談室開設準備室長 田中賢祐、京都教区光照寺住職 池上良賢、佐賀教区西光寺僧侶 ウィズフォード法道、京都教区清水寺住職 井上智之

10月24日、知恩院阿弥陀堂前において、第2回「お坊さんと話してみませんか?」を実施しました。さわやかな秋の日和のなか、浄土宗の僧侶が参詣された皆さんと親しく交流し、悩みを聞いたり談笑したり。いつもと違う知恩院の姿を体験していただきました。

語り合いから生まれる縁

田中賢祐(以下、田中):知恩院には悩み相談などの電話が毎日寄せられます。スムーズにお答えするために知恩院では電話相談室開設の準備を進めているのですが、電話相談がたくさん寄せられるなら、お坊さんと直接話をしたい人もいるはずでしょう。

そういうわけで、「お坊さんと話してみませんか?」を実施するに至ったのですが、私一人ですべての話題に対応できるわけではありません。病院にも内科があれば産婦人科があるように、お坊さんにも得意分野があります。井上智之さんは教学に造詣が深く、池上良賢さんは教師養成道場の指導員として活躍されています。知恩院には海外からの参拝者も多いので、そのあたりはニュージーランド出身のウィズフォード法道さんに対応していただこうと。他にも、介護関係に詳しい僧侶や、サラナ親子教室の指導者として児童教化に当たっている僧侶も協力してくださっています。

実際にお参りの方々と話してみていかがでしたか?

井上智之(以下、井上):知恩院のWebサイトを見て話しに来たという人も何組かいました。やはり世間の関心を集めているようです。法話を聴いたりするのが好きな人もいるでしょうが、他愛ない会話からつながっていく仏縁もいいですよね。普通に話しているだけなんですが、阿弥陀堂の前でお念仏が響くなかだと、仏さまの話題が出ないことはありません。

池上良賢(以下、池上):初対面で「悩みを話して」と言われても無理でしょう。お茶を一緒に飲むところから始まって、お互いに心を開きあうまで時間を重ねていくのが大切だと思います。お坊さんは気軽に声をかけていい人たちだという空気が広く浸透していくといいですよね。

ウィズフォード法道(以下、ウィズフォード):外国人参拝者もすごく喜んでくださっていました。観光でお寺を訪ねても、お坊さんと話をする機会というのはありませんから。“Why not ask a question?”(話してみませんか?)という張り紙には皆さん驚いたことと思います。

縁をつないでいくために

ウィズフォード:「案内があってもピンとくる説明が載っていない」という声もよく聞きました。知恩院に限らないのですが、日本の寺社の看板類は、日本人への説明を英訳しただけのものが多いです。日本人なら「八百年前」と言われたら、平安末期の動乱の時代が頭に浮かびます。しかし、外国から来た人は“800 years ago”と言われても、なぜその時代に浄土宗の万民救済の教えが求められたかが理解できません。「知恩院は徳川家を守る菩提所」と英語で伝えたときには、「誰が襲うのですか?誰から守るのですか?」と聞かれました。

井上:それでも、外国の方々に日本の仏教を話していく試みは意義深いと思います。今回得た教訓を生かせばパンフレットや看板類を充実させていくこともできますよね。 ぜひこの事業を継続的に実施する方向を考えてほしいです。

池上:私が教師養成道場でお坊さんの卵を指導するときには、「修行したり法式や作法を学ぶことも大事だけれど、お坊さんには世間の人々と広くかかわる役目がある」と伝えるようにしています。たとえ法式や教学が苦手でも、話を聞くのが得意ならその人なりの役目があると思いますし、そうすることでつながっていく縁があるはずです。

田中:今年は試験的に2回実施しただけですが、皆さまの力を借りながら、発展させていきたいと思っています。今後とも皆さまどうぞよろしくお願いします。

 

 

井上智之さんは平成27年3月25日に浄土へと旅立たれました。
生前、教化活動にご協力いただいたことに心より感謝申し上げます。



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